がん「BNCT」で”狙い撃ち”次世代がん療法 高槻に拠点
大阪医科大は3月26日、次世代のがん治療法とされる放射線治療の一種「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の拠点施設を、大阪府高槻市の同大学構内に設置すると発表した。開院は4年後の予定で、西日本初の拠点として京都大や大阪大などと連携して治療を進める。BNCTでは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素薬剤を患者に点滴後、患部に中性子線を30~50分照射する。ホウ素と中性子の核反応で出る放射線ががん細胞だけをたたく仕組み。
計画では中性子線を発生させる陽子加速器や治療室2室を整備。ホウ素薬剤は大阪府立大を中心に開発を進める。総工費約45億円で、年間で最大約1800人の治療を見込む。人体への影響が小さい中性子線を利用するため、他の治療法より患者への負担が少ない。治療対象は脳腫瘍、舌がん、喉頭がん、悪性の皮膚がんなどが想定されている。