サンフランシスコとの姉妹都市解消決める 通知は来年
大阪市の吉村市長は12月13日、米国サンフランシスコ市との姉妹都市の解消を決めたことを明らかにした。ただ、中国系市民団体からの、問題の慰安婦像の受け入れを決めたサンフランシスコ市のエドウィン・リー市長が12日急死したことを受けて、この旨の通知は来年6月に行われる見込みの選挙で新しい市長が選ばれてから行う考えを示した。
大阪大がメタノール製造で新技術 活用拡大へ
大阪大学高等共創研究院の大久保敬教授らのグループは、メタンガスを空気や光などと反応させることで、製造が難しい液体燃料のメタノールを効率よくつくり出すことに成功したと発表した。
同グループは電子機器の洗浄などに使われる「フルオラス溶媒」という液体に着目。この液体にメタンガスを溶かして空気や光などと反応させたところ、高温や高圧にしなくても従来より効率よくメタノールをつくり出せることが分かったという。また、この方法では副産物として塩ができるだけで、二酸化炭素やそのほかの有害物質などは一切、排出されなかったとしている。
メタノールは二酸化炭素の排出が少なく、エネルギー効率も良いため、自動車の燃料や燃料電池など幅広い分野での活用が期待されている。ただ、製造するにはこれまで、メタンガスを高温や高圧で処理する大規模な設備が必要なことが課題となっていた。したがって、今回の簡易型の設備で低コストで効率よくつくり出せる新技術は、メタノールの幅広い分野での活用につながる技術として注目される。
万博BIE幹部が中之島・道頓堀など大阪市内を視察
来日中のBIE(博覧会国際事務局)のケルケンツェス次長は、6日の松井知事や吉村市長との意見交換に続き、7日は万博誘致に向けた地元の機運がどの程度高まっているのかを把握しようと、大阪市内の中心部を視察した。
ケルケンツェス氏は中之島から市内の川を巡る船に乗り込み、若者たちが「2025年国際博覧会を大阪・関西へ」と書かれたのぼりを掲げた様子などを視察。道頓堀で船を降り、商店街を歩いて大型の看板が立ち並ぶ風景などを見た後、地元商店街幹部らとすき焼きで会食した。
会食の後、同氏は「大阪の人々のホスピタリティーは素晴らしかった。誘致活動への市民の参加が重要であり、そうした動きを世界にアピールしていくことが大切だ」と語った。
10月の近畿の有効求人倍率1.49倍で43年ぶり高水準
10月の近畿2府4県の有効求人倍率は1.49倍で、およそ43年ぶりの高水準となった。大阪労働局によると、求職者は30万3300人に対し、企業からの求人は45万2978人だった。この結果、有効求人倍率は1.49倍となり、統計を取り始めた昭和38年以降で、昭和49年6月の1.52倍に次ぐ43年4カ月ぶりの高い水準となった。
府県別では大阪府が1.65倍(+0.06)、京都府が1.51倍(+0.01)、奈良県が1.38倍(+0.01)、滋賀県が1.33倍(+0.01)、兵庫県が1.31倍(+0.01)、和歌山県が1.27倍(+0.03)で、すべての府県で前の月を上回った。
大阪労働局は、製造業や運輸業などでは求人が増えており、今後も有効求人倍率は高水準を維持するとみている。
大阪万博とIRの経済効果は2.6兆円 日本総研が試算
日本総合研究所の試算によると、大阪府・市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)と、2025年の国際博覧会(大阪万博)の開催による経済効果が2兆6000億円以上に上る見込みだ。日本総研では万博後も1兆1000億円超の経済効果が続くとみている。
日本総研は2005年の愛知万博や2010年の上海万博、そしてシンガポールやマカオなどカジノがある主要都市の状況をもとに試算した。その結果、IR開業前が年2600億円、IR開業後が同9500億円、万博が開かれた場合の2025年がピークの2兆6100億円になるとしている。政府は2025年のの万博の経済効果は約1兆9000億円と発表している。
辰野金吾設計の南海電鉄の旧駅舎保存で引き家作業開始
大阪府堺市西区の南海電鉄の浜寺公園駅の旧駅舎が保存されることになり、解体はせず別の場所へ一時的に移す作業が11月28日から始まった。
同駅舎は木造平屋建てで、東京駅などを手掛けた著名建築家の辰野金吾の事務所が設計して110年前の明治40年に建てられ、国の登録有形文化財にもなっている。
作業は高架事業の工事が終わるまで30㍍ほど離れた場所に移動させるもので、重さ130㌧の建物をジャッキで70㌢ほど持ち上げレールに載せて動かす、引き家と呼ばれる方法で行われた。住民たちが見守る中、1時間に1㍍ほどのゆっくりした速さで移動させていた。作業は12月18日まで3回に分けて行われる予定。
3万人のランナーが駆ける 第7回大阪マラソン
今年で第7回を数えた大阪マラソンが11月26日、大阪市内で行われた。42.195㌔㍍のフルマラソンと初心者向けの8.8㌔㍍のコースで行われ、今年もおよそ3万人が紅葉・黄葉に彩られた晩秋の街並みを駆け抜けた。台湾、香港、タイなど海外からの参加者が、これまでで最も多くのおよそ4600人に上ったのが目を引いた。
スタート地点は大阪城公園で、フルマラソンのコースは通天閣や御堂筋など大阪中心部の観光名所を巡るもので、ゴールが大阪・南港だった。参加者の中には映画やアニメのキャラクターに扮して走る人たちもおり、沿道からのにぎやかな声援を受けながらマラソンを楽しんで走っていた。
大阪市 慰安婦像でサンフランシスコと姉妹都市解消
大阪市の吉村洋文市長の、姉妹都市提携関係解消に言及しつつ繰り返し求めた、米国・サンフランシスコ市のエドウィン・リー市長への慰安像設置に対する拒否権の発動要請は実らなかった。安倍晋三首相もリー市長に対し日本政府として、慰安婦像の受け入れに拒否権の行使を申し入れていたが、功を奏さなかった。
11月22日、リー市長が同市内に設置された慰安婦像を象徴する女性像について、中国系団体からの寄贈を受け入れるとした同市議会の決定を承認する文書に署名したことを受け、吉村市長は23日、「大変遺憾で、サンフランシスコ市との姉妹都市の信頼関係は消滅した」とコメントし、提携解消に向けた手続きを進めることを明らかにした。手続きを進め、12月中に提携を解消する考えを示した。
近畿の企業倒産6カ月連続で前年上回る 10月13%増
帝国データバンクによると、近畿2府4県で10月に1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は201件で、前年同月に比べ23件(12.9%)増えた。倒産件数が前年同月を上回るのは6カ月連続となる。
業種別では繊維や飲食店など個人消費に関連する業種で倒産が目立つほか、建設では原材料の高騰や人手不足を補うための給与の引き上げで、採算が悪化するケースもあるという。一方、負債総額は220億8500万円で、前年同月と比べ47万7400円(17.8%)減少した。
帝国データバンクでは「短期的に倒産が急増するリスクは低いとみられるが、業績の改善が進まない中小零細企業を中心に緩やかに倒産が増加する可能性がある」とみている。