コマツ(本社:東京都港区)とゼネラル・モーターズ(GM、所在地:米国ミシガン州)は12月13日、コマツの大型ダンプトラック930E向け水素燃料電池モジュールを共同開発することで契約締結したと発表した。両社は2020年代中ごろに米国アリゾナ州にあるコマツのアリゾナ試験場でGMのハイドロテック水素燃料電池を搭載したプロトタイプの試験を計画している。このプロトタイプは2メガワット以上のハイドロテック水素燃料電池を搭載する予定。
空飛ぶクルマ 万博での商用運航へ有人でテストフライト
2025年の大阪・関西万博での国内初の商用運航を目指している「空飛ぶクルマ」の有人飛行によるテストフライトが、大阪市此花区の万博会場に近いヘリポートで12月11日、行われた。このテストフライトには、経済産業省と万博で運航を予定する日本航空などが参加。ドイツ製の試験用の機体にパイロットを乗せて実際に操縦する形で行われた。
試験機はプロペラを回し始めてゆっくりと浮かび上がりおよそ30mの高さまで上昇。そして上空をおよそ500四方で旋回した後、再び元の場所まで戻って着陸した。
万博では①全日空ホールディングスと米ジョビー・アビエーション②日本航空とドイツのホロコプター③丸紅と英国バーティカル・エアロスペース④スカイドライブ(自社開発)ーの4事業者グループが空飛ぶクルマを運航する予定。ただ、機体の安全性についての基準などが現在も定まっておらず、目標とする商用運航に向けて多くの課題が残されている。
KDDI 国内初 基地局に「曲がる太陽電池」24年2月から実証実験
東レ フッ素系「PFAS」使わず水をはじく衣料用新素材開発
東レは11月30日、環境への影響が指摘される有機フッ素化合物の「PFAS(ピーファス)」を使わずに、水をはじく機能を持つ衣料品向け新素材「デューエイト」を開発したと発表した。これは太い繊維に細い繊維を絡ませて紡いだ糸を使った、表面に微細な凹凸構造がある生地。ハスの葉やチョウの羽などの表面の構造を参考にしたもので、水滴が付着しても生地表面の凹凸の間に空気の層ができ、表面を水滴が転がり落ちる仕組みだ。
今回、原料にはポリエステルを使用したが、将来的にはナイロンでの使用もあり得るという。国内外向けを合わせ2025年度に20万㎡、2027年度に50万㎡を販売する計画。用途は男性、女性用上着、ズボンが主体。生地価格は中高級価格帯を想定。
東芝 コバルト不使用のリチウムイオン新型電池 28年実用化めざす
厚労省 第一三共の新型コロナワクチン承認 国産初の実用化
沖縄に自然体験型テーマパーク「JUNGLIA」25年開業目指す
大阪ガス 脱炭素化へメタネーション研究開発拠点建設・起工式
大林組とトヨタ CFRP廃棄物をコンクリート材に再生技術を開発
大林組とトヨタ自動車は11月9日、共同で燃料電池車「MIRAI」の水素タンクに使用される炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の端材を、コンクリート補強用短繊維として再生利用する新たな技術「リカボクリート(TM)工法」を開発し、トヨタ明知工場内の部品置き場床面に初適用したと発表した。
リカボクリート工法の特長は①独自の熱加工により、CFRP端材表面からCFRPを剥がす技術を確立した②再生加工したコンクリート補強用短繊維は、同じ目的で従来使われてきたポリプロピレン短繊維の3分の2の添加量で同等以上の圧縮強度や曲げ靭性を発揮する③新品の炭素繊維と比べてCO2排出量を15分の1に低減できる。これにより、CFRPの廃棄物を削減し、循環型経済の推進に貢献する。
慈恵医科大, 横浜市立大など 光免疫療法の戦略手法を確立
日米欧など28カ国、企業が「AI安全サミット」初の国際会議
竹中工務店と出光 建設系使用済みプラスチックの再資源化で実証
SBIと台湾PSMC 宮城県に半導体工場を新設 車載用など生産
SBIホールディングス(本社:東京都港区)は10月31日、台湾の半導体受託生産大手Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation(以下、PSMC)とともに宮城県黒川郡大衡村、第二仙台北部中核工業団地を半導体建設予定地として決定、JSMC(本社:東京都港区)および宮城県を合わせた4社で、日本政府から一定以上の補助金を受領することを前提とし、先端半導体工場の建設に向けた基本合意書を締結したと発表した。JSMCは8月にPSMCが今回のプロジェクトの準備会社として設立した事業会社。
建設予定地の工場では最終的に28nm、40nm、55nmの半導体について月間4万枚のウェハを生産する計画。PSMCは車載向け半導体需要の90%を占めるとされている28nm以上の半導体を高品質で安価・大量に生産するビジネスモデルのノウハウを持つ。
竹中工務店 竹本油脂と共同で高流動・無収縮コンクリート開発
シャープ 積層型太陽電池モジュール変換効率33.66%達成 世界初
シャープは10月27日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「移動体用太陽電池の研究開発プロジェクト」で、化合物2接合型太陽電池モジュールと、シリコン太陽電池モジュールを組み合わせた積層型太陽電池モジュールで、世界最高の変換効率33,66を達成したと発表した。同モジュールの変換効率は同社が2022年にNEDOのプロジェクトで達成した世界記録32.65%を更新するもの。
今回試作した太陽電池モジュールは、化合物2接合型太陽電池セルをトップ層に、シリコン太陽電池セルをボトム層に配置した新構造により、様々な波長の光を効率的にエネルギー変換できることから高効率化を実現した。
同社は今後も電気自動車や宇宙・航空分野などの移動体への搭載に向けて、引き続き太陽電池モジュールの高効率化および低コスト化に関する研究開発を進め、移動体分野における温室効果ガスの排出削減に貢献していく。
INPEXと大阪ガス メタネーション試験設備のプラント本工事に着手
コスモエネHDとTOYO 製油所で発生CO2をメタノールに直接合成
コスモエネルギーホールディングスと東洋エンジニアリング(以下、TOYO)は10月23日、触媒を利用したCO2からのメタノール直接合成に向けた共同検討について基本合意書を同日、締結したと発表した。
TOYOは、水素と製油所や工場から分離・回収したCO2からメタノールを直接合成できるライセンス技術を保有している。CO2を直接原料として使用できることから、複数のプロセスを経由することなく、効率的にメタノールを製造することが期待される。両社は今回の共同検討を通じてコスモエネルギーグループの製油所等から発生するCO2由来のサステナブル製品の生産を目指し、CO2削減効果や投資採算性等を双方で検討していく。
住友商事 ソニーGともみ殻由来のバイオ燃料・ケミカル製造の実証
住友商事は10月18日、ソニーグループと共同で、もみ殻由来のバイオ燃料・バイオケミカルを製造する実証実験を開始すると発表した。新潟県胎内市および胎内市農業協同組合(JA胎内市)の協力のもと、技術開発や用途開発に取り組み新しい地産地消の脱炭素化事業モデルとして、国内および世界への展開を目指す。
もみ殻は世界で年間1億トン以上、日本国内だけでも約200万トン排出されている。このもみ殻を回収し、①もみ殻炭を製造する②もみ殻炭から抽出した「もみ殻シリカ」および「もみ殻活性炭」を製造する③もみ殻炭製造時に発生するオフガスの再生可能エネルギーとしての活用技術を開発する。
この事業は、環境省の令和5年度「地域共創・横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(二次公募)」に採択されている。
川崎重工とレゾナック 川崎地区の水素発電事業開発で協業
いすゞとホンダ 燃料電池大型トラックを初公開へ 外部給電機能も
いすゞ自動車(本社:横浜市西区)とホンダ(本社:東京都港区)は10月17日、両社が共同開発を進める燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のいすゞグループのブースで初めて一般公開すると発表した。同ショーは10月28〜11月5日、東京ビッグサイトで開催される。
今回展示する開発車両は、都市間輸送の代表車型の「低床4軸8×4」を採用。航続距離は800km以上(いすゞ評価モード)と、大型トラックとしての実用性とゼロエミッションを両立させている。また、災害時等における「移動式電源」としての活用を想定した外部給電機能を備えている。