資生堂 廃プラの再資源化「アールプラスJ」に資本参加

資生堂は2月15日、サステナブルな社会の実現に向け「アールプラスジャパン」に資本参加し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組むと発表した。同社は2025年までに化粧品容器を「リユース可能」「リサイクル可能」「生分解可能」のいずれかで、100%サステナブルな容器包装の実現を目標にし、「詰め替え・付け替え」容器採用、使用済み容器の店頭回収などの取り組みを積極的に展開している。
米国のバイオ化学ベンチャー企業アネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチック再資源化技術の開発を進める。回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指していく。
今後アールプラスジャパンおよび参加企業と連携し、使用済みプラスチックの再資源化を推進し、日本のプラスチックリサイクルに関わるバリューチェーンの一員としてサステナブルな世界の実現に向けて貢献していく。

三井住友信託銀 廃プラ再資源化「アールプラスJ」へ資本参加

三井住友信託銀行は2月15日、持続可能な社会の実現に向けて、使用済みプラスチックの再資源化を通じてプラスチック課題の解決に貢献すべく、アールプラスジャパン(RPJ)に資本参加すると発表した。
「アールプラスジャパン」(本社所在地:東京都港区)は、2020年6月に事業開始した共同出資会社で、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術の研究開発を進めている。当該技術の社会実装を支援することで、グループ取引先の脱炭素化推進につながるものと想定し、RPJへの資本参画を決めた。

近鉄バス 大阪府内2路線でEVバス初導入 中国BYD製25人乗り

近鉄バス(本社:大阪府東大阪市)は2月15日、大阪府内の2路線で電気で動くEVバスを初めて導入することになり、東大阪市役所で出発式が開かれた。導入されるのは中国のEVメーカー、BYDが製造した25人乗りの小型バス2台で、1回3時間の充電でおよそ200km走行できるという。
近鉄バスがEVを導入するのは初めてで、来年度さらに5台程度を導入するなど車両のEV化を進めていきたいとしている。EVバスは17日から、東大阪市の八戸ノ里駅前と市立東大阪医療センターの区間と、大阪市の近鉄上本町駅やJR桃谷駅前とを結ぶ路線に導入される。
関西では阪急バスが2021年10月から大阪大学のキャンパス間を結ぶ区間で、京阪バスが2021年12月に4台のEVバスを、同じ中国製EVバスをそれぞれ導入している。

21年世界の半導体販売前年比26%増で初の5,000億ドル突破

米国半導体工業会(SIA)のまとめによると、2021年の世界の半導体売上高は前年比26.2%増の5,559億ドル(約64兆2,800億円)だった。5,000億ドルを上回るのは初めて。演算処理に使うロジック半導体の販売が30.8%増の1,548億ドルとなり、メモリーは30.9%増の1,538億ドルだった。
自動車や家電など幅広い製品で半導体不足が指摘され、各社が生産能力の増強を進めたことで、出荷数も過去最高の1兆1,500億個に上った。

三菱商事 フィリピン・マニラ首都圏地下鉄のシステム受注

三菱商事(本社:東京都千代田区)は2月14日、フィリピン運輸省よりマニラ首都圏の地下鉄計画(第1期)向け鉄道システム一式の納入を受注したと発表した。受注金額は約1,400億円。完成は2028年ごろを見込む。
このプロジェクトでは、日本政府により国際協力機構(JICA)を通じて円借款が供与されている。マニラ首都圏の北部ヴァレンズエラ市と南部パラニャケ市を結ぶフィリピン初の地下鉄で、鉄道システム一式(軌道、信号・通信設備、受配電設備、電車線、自動改札機、ホームドア等)を設計・製造・据付し、同国運輸省に納入する。

キリンHD 中国の清涼飲料事業から撤退 ビール事業は継続

キリンホールディングスは2月16日、中国の飲料大手、華潤集団と手掛ける清涼飲料の合弁事業を解消すると発表した。キリンが保有する合弁会社の全株式を10億ドル(約1,150億円)で、中国の投資ファンド傘下の企業、Plateau Consumer Limitedに譲渡する。ただ、中国でのビール事業は継続する。
合弁会社は華潤麒麟飲料で、2011年の出資時はキリンHDが約330億円を拠出し、持分は40%。ミネラルウオーターが主力で、グループのキリンビバレッジが手掛ける「午後の紅茶」なども製造、販売していた。

日立 シニアの「社会参加」促し介護予防支援の新事業立ち上げ

日立製作所は2月15日、一般社団法人日本老年学的評価研究機構(以下、JAGES機構)との共同研究のもと、シニアの社会参加行動を測定し、データに基づく介護リスクの予測や介護予防のための行動介入を支援する新たな事業を立ち上げると発表した。
この事業の中核ツールとして、シニアの社会参加を促進するスマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」を2022年春にリリースし、一般向けに無償公開する。外出・行動状況の測定・見える化や、そのデータに基づいた健康アドバイス、JAGES機構の先行研究に基づくコンテンツ配信などを提供する。
今後この取り組みに賛同する企業や自治体などを幅広く募り、アプリを通じた介護予防効果をシニアに還元できるサービスなど、シニアの社会参加を促進するより良い仕組みの開発と社会実装を加速し、「人生100年時代」における健康長寿社会の実現に向けたエコシステムの構築に取り組む。

ADEKA 日本農薬がインドの水稲用殺虫剤の農業登録取得

ADEKA(本社:東京都荒川区)は2月10日、グループ企業の日本農薬(本社:東京都中央区)の、連結子会社Nichino India Private Limited(本社:インド・テランガナ州ハイデラバード、以下、ニチノーインディア)が、インドで農薬登録申請していた新規水稲用殺虫剤「オーケストラ(R)IOSC」について、2月3日付で農業登録を取得したと発表した。インドでの販売開始時期は今年の雨期作(6月ごろ)を予定。
オーケストラ(R)IOSCは、同社が独自に発明した新規有効成分ベンズピリモキサンを含有する製品。日本とインドで同時開発を進めてきており、日本では2020年9月14日付で農業登録を取得、2021年5月25日に販売開始している。
日本と同じくコメを主食とするインドで、水稲は最も広く栽培されている重要作物であり、水稲栽培に甚大な被害をもたらす最重要害虫の一つ、トビイロウンカの防除は最優先課題となっている。ベンズピリモキサンはトビイロウンカをはじめとするウンカ・ヨコバイ類に高い殺虫効果を示し、既存剤に感受性が低下した個体群に対しても高い防除効果を示すとしている。

ANAHD「空飛ぶタクシー」参入 関空~市内を15分以内に短縮

ANAホールディング(HD)は2月15日、日本で「空飛ぶタクシー」の運航事業に参入すると発表した。トヨタ自動車などが出資する米新興企業、ジョビー・アビエーション(以下、ジョビー)と業務提携し、同社が開発している電動式の垂直離着陸機「eVTOL」を活用する。
ANAHDとジョビー両社が発表した。ジョビーが開発している5人乗りの機体は最高速度が時速約320kmで、240km強の連続飛行ができる。現在は自動車で1時間程度かかる関西国際空港から大阪駅までの所要時間を15分以内に短縮できるという。

クボタ 21年売上高・最終利益とも過去最高 海外事業がけん引

クボタ(本社:大阪市浪速区)の2021年12月期連結決算は、売上高、最終利益とも過去最高となった。売上高が前期比18.5%増の2兆1,967億円となり、初めて2兆円を突破した。純利益も同36.7%増の1,756億円で過去最高を更新した。海外事業が好調で、北米で小型の建設機械やトラクターの販売が大幅に増えた。また、タイやインドなどで農業機械が好調だったことが主な要因。

不二家と丸紅 ベトナムに菓子製品の輸入・販売の合弁設立

不二家(本社:東京都文京区)および丸紅(本社:東京都千代田区)は2月14日、ベトナム国内に不二家菓子製品の輸入および販売を目的とする合弁会社を共同で設立することで合意したと発表した。
合弁会社「FUJIYA VIETNAM CO.,LTD.」(所在地:ホーチミン市)、出資比率は不二家、丸紅各50%。2022年5月設立予定で、2022年中に菓子の輸入販売を開始し、現地でのマーケティングや販売促進の検証を行っていく。参入予定のビスケット・クッキー市場は最も規模が大きく、今後も成長が期待されるカテゴリー。

不二家とバンダイ 中国での菓子事業展開拡大で業務提携

不二家(本社:東京都文京区)は2月14日、バンダイ(本社:東京都台東区)と、中国での菓子事業拡大を目的として業務提携することで合意したと発表した。中国でIPを活用した菓子事業のさらなる市場展開に取り組むバンダイと、中国に生産拠点がありポップキャンディを中心にクッキーなどの販売ネットワークを持つ不二家が、両社の強みを活かすことで、中国での”地産地消”によるIP菓子事業展開の拡大をともに目指す。
協業商品第一弾は「ウルトラマンスティックキャンディ」で、2022年10月発売予定。参考小売価格は10本で14.8元(約260円)。企画元:BANDAI NAMCO Entertainment(SHANGHAI)CO.,LTD.、製造・発売元:不二家(杭州)食品有限公司。

群馬県でローカル5G活用の遠隔操作による自動運転バス実証

一般社団法人ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(以下、TOPIC)、群馬大学、日本モビリティ、日本電気(以下、NEC)は2月14日、群馬県前橋市でローカル5Gを活用した複数台の遠隔監視を含む自動運転バスの公道実証を2月21日から27日まで実施すると発表した。これは総務省の令和3年度「課題解決型ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バス社会実装事業」として、実施するもの。昨年度に続き今年度もローカル5Gをはじめとする先進技術を活用し、自動運転バスの実用化に向けて実証を行い、その成果やノウハウを活かして実運用を目指す。

蓄電量2倍の「リチウム硫黄電池」ADEKAが試作品を開発

ADEKA(本社:東京都荒川区)は次世代電池として期待される「リチウム硫黄電池」の試作品を開発した。重量あたりのエネルギー密度で既存のリチウムイオン電池の約2倍を実現した。電池メーカーなどと研究開発に取り組み、2030年をめどに電極材販売の事業化を目指す。リチウム硫黄電池は正極に硫黄由来の物質を使用している。日本経済新聞が報じた。
脱炭素の、ガソリン車に代わる有力車両、電気自動車(EV)も航続距離がネック。この航続距離を延ばすには現在のリチウムイオン電池よりエネルギー容量が大きい電池の開発が不可欠だ。

ワタミ 23年度までに国内展開の居酒屋3割を閉店 宅配事業強化

居酒屋チェーン大手のワタミ(本社:東京都大田区)は、国内で展開している270余の居酒屋のうち、およそ3割にあたる採算が見込めない80店舗について、2023年度までに閉店する方針を固めた。年内におよそ40店、来年さらに40店ほど順次営業を終了する。
同社では不採算店の閉鎖を進める一方、別のおよそ80店舗で焼き肉やすしなどへの業態転換を検討するほか、需要が伸びている食材や弁当などの宅配事業を強化し、収益力を高めていく考え。
同社は昨年度、グループ全体の売上高が前年度より30%以上落ち込み、110億円余の最終赤字に陥った。今年度も上半期時点で30億円の最終赤字となるなど経営の立て直しが喫緊の課題となっている。

米メルク コロナ飲み薬20万人分前倒し3月までに80万人分供給

米製薬メルクの日本法人、MSD(本社:東京都千代田区)は2月14日、厚生労働省に新型コロナウイルスの飲み薬「ラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル)カプセル200mg」を、3月末までに計80万人分を納入すると発表した。従来の国内供給予定は3月末までに60万人分だったが、20万人分を前倒しで供給するというもの。

キリンHD ミャンマー撤退へ 国軍系と関係解消 事業継続断念

キリンホールディングスは2月14日、ミャンマーのビール事業から撤退すると発表した。現地の国軍系企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングスと合弁で展開するビール会社について、6月末までに持ち分の株式を第三者企業に売却する。2021年2月1日の国軍によるクーデター後、人権侵害への懸念から合弁解消に向けて交渉してきたが難航。事業継続に向けて国際仲裁も提起していたが、進展は望めないと判断した。

米ボーイング出資のスタートアップ 日本で「空飛ぶタクシー」

米航空機大手ボーイングが出資するスタートアップ、米ウィスク・エアロは電気駆動で自動運転の「空飛ぶタクシー」を日本に投入する計画を明らかにした。米国で数年以内にも事業化し、東京を含む世界の約20都市に順次投入する。ウィスク社のCEOらが明らかにした。日本経済新聞が報じた。

塩野義 千葉大病院と粘膜ワクチンを共同開発へ 研究部門設置

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は2月10日、千葉大学医学部附属病院(所在地:千葉市)と粘膜免疫誘導ワクチン(以下、粘膜ワクチン)を共同開発すると発表した。4月に千葉大学病院に研究拠点「ヒト粘膜ワクチン学部門」を設け、塩野義は複数名の研究員を派遣する予定。
粘膜免疫を誘導するためには、経鼻投与ワクチンが効果的だと考えられている。経鼻投与ワクチンは注射タイプのワクチンに比べて投与が簡単なうえ、病原体の侵入を防ぐ免疫を強化できるとされる。2023年3月期中の臨床試験(治験)入りを目指す。