北陸新幹線開業で関西財界に焦り 関西圏つなぎ留めへ
3月14日、待望の北陸新幹線が延伸開業したが、一般の歓迎・祝賀ムードをよそに関西経済界には焦りと不安が募る。これまで「関西経済圏」の一部とされた北陸が、新幹線開業とともに人やモノが東京へ流れ、「首都圏経済」に組み込まれるのでは–との不安が高まっているからだ。このため大幅な増加が見込まれる、便利になった北陸目当ての訪日外国人観光客の、関西への呼び込みなどで、関西経済圏へのつなぎ留めにネジを巻く。
関西と北陸はもともと製造業を中心に結びつきが強く、繊維産業などが北陸に主要製造拠点を構えている。日本有数の合繊素材の織布・染色加工業が代表例だ。だが、北陸新幹線開業で、金沢までの所要時間が東京、大阪ともほぼ同じになり、富山までは東京からの方が約1時間早くなる。経済をはじめ、関西と北陸との新たな交流の形が求められそうだ。