エーザイ認知症薬レカネマブ 米FDA諮問委が正式承認勧告

米食品医薬品局(FDA)は6月9日、エーザイと米バイオジェンが共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関する諮問委員会を開き、正式承認を推奨すると勧告した。これを受け、FDAは7月6日までに可否を判断する予定。米国ではレカネマブは2023年1月にFDAが下した”仮承認”ともいえる迅速承認の状況にある。
米国で正式承認されれば日本や欧州など世界で一気に普及が進む可能性がある。レカネマブはFDAが迅速承認した際、提出された治験のデーターでは、早期アルツハイマー病患者に対し、認知機能の悪化スピードを27%遅らせる効果が示されている。

SOMPOケア キッザニア東京に出展 介護福祉士の業務を紹介

SOMPOホールディングス(HD)は、子どもが様々な業種の本格的な就業体験ができるレジャー施設「キッザニア東京」(所在地:東京都江東区)に、介護福祉士の体験を提供するパビリオン「ケアサポートセンター」を7月19日に出展する。パビリオンは、SOMPOホールディングス傘下で介護サービスを手掛けるSOMPOケア(所在地:東京都品川区)が運営する。パビリオンでは要介護者への食事や入浴、移動の手伝いなど介護福祉士の業務内容や最新の介護機器を紹介する。

スズキ データ・テックとハンドル形電動車いすの見守り通信Sで実証

スズキ(本社:静岡県浜松市)は5月23日、データ・テック(本社:東京都大田区)と、ハンドル形電動車いす「セニアカー」の利用者とその家族らに、より安心・安全を提供することを目的に、IoT車載器を活用した見守り通信システムの実証実験を2023年6月より開始すると発表した。全国で、実験期間は2023年6月から10月。
今回の実証機関では、スズキが製造するセニアカーにデータ・テックが開発したIoT車載器「SR-LPWA」を装着し、利用中の位置情報の取得や、転倒検知を行う。取得した位置情報は専用サーバーを介して、あらかじめ登録された家族の持つ見守りアプリで閲覧が可能。また、転倒を検知した際は家族にメール通知を行い、リアルタイムでセニアカーの状態を把握することができる。実証実験を通してセニアカーに求められる機能やサービスを把握し、今後の製品展開につなげていく。

マルハニチロ 中国で冷凍介護食事業 高齢者が食べやすい食事提供

マルハニチロ(本社:東京都江東区)は5月22日、中国現地のグループ会社および現地パートナーとの協業により、中国で冷凍介護食事業を始めると発表した。現地工場で生産し、病院や介護サービス事業者向けに販売する。同社は日本国内で2005年から噛む力や飲み込む力が弱くなった人でも食べやすい冷凍の介護職事業を手掛けている。日本の全人口を上回る規模の高齢者人口を擁する中国だけに、市場拡大に伴う安定した事業が見込めると判断した。
中国都市部を中心に①病院医療向け②シルバーサービス関連施設向け③在宅介護の利用者向けーの3つの販売チャネルを開拓していく。2023年3月から総合病院医療向けは着手、シルバーサービス関連施設向けを6月から開始する。在宅向けも順次試験販売に着手する。
中国では咀嚼力や嚥下機能が低下した高齢者に対し、粘度や固さを変えた、食べやすい食事を提供する病院医療施設は数少なく、在宅介護向け商品のラインアップも限られている。今後一段と高齢化が進む中国では、高齢者が食べやすい介護食需要の大幅な伸びが見込まれる。
国家統計局によると、中国の65歳以上の人口は2021年末時点で、中国全人口の14.2%に相当する約2億56万人に上り、2035年には60歳以上の人口が4億人を超える見通し。

エーザイ アルツハイマー病薬「レカネマブ」 英国で販売承認申請

エーザイ(本社:東京都文京区)は5月22日、米国バイオジェン(本社:米マサチューセッツ州ケンブリッジ)と共同開発する早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)に販売承認申請した。MHRAはレカネマブについて、革新的な医薬品の発売までの時間を短縮するプログラム「ILAP」に指定した。
レカネマブは早期アルツハイマー病の患者を対象としており、症状の悪化を27%抑えるとされる。脳内に蓄積されるアルツハイマー病の原因物質の一つ、たんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」を取り除く効果があるという。
レカネマブは、米国では条件付き承認にあたる「迅速承認」を得ているほか、日本、欧州、中国、カナダでも承認申請している。

倒産 4月も600件超え, 全業種で前年超え, 負債総額2,000億円超え

帝国データバンクのまとめによると、4月の全国企業倒産は前年同月比25.3%増の610件となり、12カ月連続で前年同月を上回った。3月と比べると190件(23.8%減)少なく、3カ月ぶりに前月を下回ったが、2カ月連続で600件を超えた。負債総額は前年同月比189.9%増の2,088億700万円となり、3カ月連続で前年同月を上回った。単月での負債が2,000億円を超えたのは2022年6月以来。
①全業種で倒産件数が前年同月を上回った。件数が最も多かったのは「サービス業」(4.3%増)、「建設業」(56.5%増)、サービス業は14カ月連続で前年同月を上回った。②「不況型倒産」の合計が490件で全体の80.4%を占めた。③「破産」が576件に上り、8カ月連続で前年同月比2ケタの増加率となった。④規模別にみると、負債5,000万未満の倒産が334件で、小規模な倒産増加が目立った。

大塚製薬の統合失調薬 アルツハイマー病治療で米FDAが承認

大塚ホールディングス(HD、本社:東京都千代田区)傘下の大塚製薬は5月11日、米食品医薬品局(FDA)から、アルツハイマー病に伴ってみられる暴力などの行動障害の治療薬として、統合失調症薬「レキサルティ」が承認を得たと発表した。アルツハイマー病の行動障害向けの薬は米国で初という。レキサルティは大塚製薬が創薬し、2015年に米国で成人のうつ病や統合失調症の治療薬として発売した。現在約60カ国・地域に供給している。
アルツハイマー病は認知症全体の6割強を占めるとされ、薬の服用により介護の負担を減らせる可能性がある。日本でもアルツハイマー病向けの承認申請する予定で、最終段階の治験を行っている。

平和堂 尼崎社協と連携し兵庫県内3店舗でフードドライブ開始

「もったいない」を「ありがとう」に、サスティナブルな社会の実現へ、食品ロスの削減や資源の有効活用の取り組みが広がりをみせている。
平和堂(本社:滋賀県彦根市)は5月9日、社会福祉法人 尼崎市社会福祉協議会と連携し、5月10日から兵庫県内全3店舗でフードドライブを開始すると発表した。毎月第2水曜日〜翌週火曜日に実施。実施店舗はアル・プラザつかしん、アル・プラザあまがさき、フレンドマート尼崎水堂店。受付できる対象品は、家庭で使わずに余っている食品、調味料、飲料など。常温保存が可能なもの。賞味期限が1カ月以上あるもの。成分またはアレルギー表示のあるもの。日本語表記があるもの。尼崎社協 子ども家庭支援グループが運営する。

日本特殊陶業 在宅高齢者の会話サービスで新会社設立

Niterraグループ、日本特殊陶業(本社:名古屋市東区)は4月26日、在宅高齢者の日常生活支援の一環として、高齢者の会話量を増やしたり、健康に関する情報を提供したりするデジタル上のコミュニケーションサービスで新会社「YORICOM」(ヨリコム、本社:愛知県小牧市)を設立したと発表した。
新会社の資本金は500万円。2023年4月3日設立した。AIとキャラクターを組み合わせた、バーチャルアシスタントによる「寄り添いコミュニケーション」の事業活動を展開する。

豊中市とNEC フレイル・介護予防で新サービス実施

大阪府豊中市と日本電気(本社:東京都港区、以下、NEC)は3月20日、豊中市が高齢者向けに実施しているフレイル・介護予防の新たな取り組みとして、デジタル技術を活用して健康・生活課題を収集・分析し、健康状態を見える化するサービスを4月3日から順次開始すると発表した。
より効果的なセルフケアを前提とした、誰も取り残されない介護予防の実現を目指して、NEC独自の歩行姿勢測定システムなどにより、最大約70項目の多面的なデータを収集。このデータをもとに身体機能や食習慣、社会参加などの現状を見える化し、本人に分かりやすく伝える「当日フィードバック帳票」を測定時に、その場で提供する。デジタル技術を活用した歩行姿勢測定と当日フィードバック帳票による自治体のフレイル・介護予防策は関西初。

マクニカ,ユカイ工学とホーム入居者の自立促す実証

半導体、サイバーセキュリティなどソリューションプロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)とユカイ工学(本社:東京都新宿区)は3月14日、協業して住宅型老人ホームの入居者の自立を促し、スタッフの業務環境を改善するための実証実験を、同日開始すると発表した。
介護施設に居住する高齢者(2施設・各5世帯)に実証実験のモニターになってもらい、施設スタッフとのコミュニケーションに活用する。
この実証実験は神奈川県が運営する、ポストコロナを見据えた新たな事業連携プロジェクト「BAK NEW NORMAL PROJECT 2022」で採択されたもの。神奈川県内の介護施設を運営する聖隷藤沢ウェルフェアタウン、ヴィンテージ・ヴィラ横浜の協力のもと行われる。
住宅型老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、個室中心の居住空間のため、常駐スタッフが少ない。そのため個別ケアのようなサービスを提供するにはスタッフの業務負荷が大きくなる。こうした課題を解決しようというもの。

エーザイ 認知症薬「レカネマブ」世界売上高1兆円

エーザイ(本社:東京都文京区)の内藤晴夫CEO(最高経営責任者)は3月9日、アルツハイマー治療薬「レカネマブ」の2030年度の世界売上高が1兆円規模になるとの見方を示した。
レカネマブは最終段階の臨床試験(治験)で、早期のアルツハイマー病患者の症状悪化スピードを27%緩やかにする効果を示した。これを受け同社は米国、欧州、日本でレカネマブの製造・販売承認を申請しており、今後高齢化が進む東南アジアなど新興国でも販売したい考え。レカネマブの投与対象者は2030年に250万人になるとみている。

ファストリ バングラデシュ女性労働者の地位向上支援

ファーストリテイリングは3月8日、バングラデシュの取引先縫製工場における女性従業員エンパワーメントの目標を設定したと発表した。これは同国の主要産業を占める、アパレル産業における女性の地位向上を支援する継続的な取り組みの一環。
主要8工場とともに、2025年末までに①1,500人の女性従業員が管理職になるためのトレーニングを受講②対象工場における女性管理職比率が平均30%以上に上昇③すべての女性従業員が託児所や託児サービス、また身体的・精神的サポートを受けやすい環境が整備されているーなどの達成を目指す。
バングラデシュの2019年の総輸出額の84.4%を占める既製服セクターは、約420万人の労働者を雇用し、その90%が女性。同部門は同国の経済成長の原動力として進化してきたが、女性労働者がこれらの貢献に見合うよう処遇されているか疑問視されている。こうした現状改善の一助とする。

エーザイ「レカネマブ」米FDA フル承認申請を受理

エーザイ(本社:東京都文京区)は3月6日、米バイオジェンと開発を進めているアルツハイマー病「レカネマブ」について、米食品医薬品局(FDA)が、フル承認に向けた変更申請を受理したと発表した。優先審査に指定されており、審査終了日は7月6日を予定する。フル承認が決まれば、治療薬が本格的に普及する段階に入る。
エーザイは日本や欧州などでも承認を申請している。レカネマブは早期アルツハイマー病患者を対象とし、症状の悪化を27%抑制する効果があるという。

エーザイ 認知症薬「レカネマブ」中国で優先審査

エーザイ(本社:東京都文京区)は2月28日、米バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が中国国家薬品監督管理局(NMPA)から優先審査の指定を受けたと発表した。これにより、承認までの期間を短縮できるという。
NMPAによる優先審査は、顕著な臨床的価値を持つ新薬等に対する研究、開発、上市の加速を目的として制定された制度。

パナソニックHD 中国で高齢者向け居住区を開業

パナソニックホールディングス(HD)は2月26日、中国江蘇省宜興市で現地企業の雅達国際ホールディングス(HD)と組み、高齢者向けの街づくりの企画段階から参加した「雅達・松下社区」を整備し、住民の入居が始まったと発表した。
同居住区は全部で1,170戸。販売価格は300万元(約6,000万円)からで、およそ半分が売れているという。高齢化が進む日本で培った住空間の設計ノウハウと、空調や住宅設備などの自社製品を組み合わせ、中国向けに構成し提供している。
これを機に同社は高齢者向けや単身者向けなど中国各地で地域ニーズに合わせた空間提案を進めていく。

40歳以上の53.4%「フレイル」新田ゼラチンが調査

新田ゼラチン(本社:大阪府八尾市)は2月1日、全国の40歳以上の男女600人を対象に行ったアンケート調査の結果を発表した。「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態に陥るまでの中間的な段階で、運動機能や認知機能等の低下により生活に支障が出ること。
調査結果の要点は①コロナ禍で在宅時間が増えた人が感じている課題は「運動不足」が56.5%で1位②1年前より68.7%が「体の健康を意識」、59.7%が「心の健康を意識」するようになった。③40歳以上の53.4%が「フレイル」または「プレフレイル」に該当④「フレイル」の認知度はわずか11.0%⑤地域別で「フレイル」が最も多かったのは「関西」。「フレイルフリー」が多いのは「九州・沖縄」⑥40歳以上の70.2%が適切な運動を実施できていない⑦「フレイル」の86.5%が「将来の体の健康に不安」、79.0%が「将来の心の健康に不安」⑧将来「誰にも頼らず自分で何でもできる」ことを理想とする人が50.8%−−など。

エーザイ アルツハイマー病新薬 優先審査品目に指定

エーザイは1月30日、米バイオジェンと共同開発を進めている早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)から優先審査品目に指定されたと発表した。この指定を受けると、要する審査期間の短縮が見込める。同社は1月16日にレカネマブを国内で承認申請していた。

エーザイ 認知症薬「レカネマブ」欧州で申請受理

エーザイ(本社:東京都文京区)と米バイオジェン・インク(本社:米マサチューセッツ州)は1月27日、早期アルツハイマー病患者対象の治療薬「レカネマブ」について、欧州医薬品庁(EMA)が販売承認申請を受理したと発表した。同社はレカネマブについて、すでに米国で迅速承認を取得しており、欧州のほか日本でも承認申請している。年内承認を目指している日本で承認されれば、米・欧・日で揃って受理されることになる。
レカネマブは早期アルツハイマー病患者の、病気の原因物質の一つといわれる、脳内に蓄積するたんぱく質「アミロイドベータ」を除去し、悪化を27%抑制する効果があるとされる。

パナソニックHD 介護支援「排泄センサー」開発提供

パナソニックホールディングスとパナソニックくらしアプライアンス社は1月19日、介護施設向け介護業務支援サービス「ライフレンズ」と連携可能な「排泄センサー」を新たに開発。3月よりライフレンズのオプションとして提供を開始すると発表した。排泄記録の自動化を通じて、さらなる見守り業務の負担軽減と、入居者のQOL向上を実現する。
今回開発した排泄センサーは、入居者のトイレの入退室時間や排泄状態を自動で検知してデータとして保存。ライフレンズと連携させることで排泄情報の一元管理が可能になり、介護職員の業務負担軽減と、より質の高いケアの提供につなげる。